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しじみの効果・効能

主な健康効果

しじみはアミノ酸、ビタミン、ミネラルといった豊富な栄養素を含み、身体の健康増進にとても効果的な食品です。特にしじみに含まれるアミノ酸の一種オルニチンは、肝臓の働きを助ける効果や、身体の疲労を回復する効果で知られています。まずは、しじみの主な健康効果について解説します。

肝機能の向上

しじみは、肝臓の働きを助ける食品として知られています。これは、しじみに含まれるオルニチンが肝臓に作用して、肝臓の働きを高めるためです。 オルニチンは、肝臓のオルニチンサイクル(尿素回路)と呼ばれるアンモニアを解毒する回路で働き、アンモニアの解毒を促進する作用があります。これにより肝臓の負担が軽減され、今まで解毒に割いていた肝臓の働きを脂質やアルコールの代謝に回すことができるようになり、肝臓の機能が高まります。 また、アンモニアは身体にとって有害で、エネルギーを産生する細胞の小器官であるミトコンドリアの活動を妨げます。オルニチンはアンモニアの分解を促進することで、ミトコンドリアのエネルギー産生を助けます。オルニチンによって細胞のエネルギー産生が促進されることで、肝臓などの内臓の働きが活発になります。

オルニチン以外のしじみに含まれるアミノ酸にも、肝臓の機能を高める効果があります。 アラニンには、アルコールの代謝を促進する作用や、肝細胞の再生を促進する作用があります。 バリン・ロイシン・イソロイシンには肝臓のタンパク質合成を促進する作用があり、肝臓の機能を高めます。 リシン(リジン)には、肝臓で働く酵素リパーゼの働きを活発にして、脂肪を代謝する肝臓の機能を高める働きがあります。 メチオニンには、肝臓の老廃物の排出を促進する作用や脂肪肝を防ぐ作用があり、肝臓の保護に役立ちます。 トレオニンには、脂肪の代謝を促して脂肪肝を防ぐ効果があります。 しじみはこうした肝臓の機能を助けるアミノ酸を豊富に含んでおり、肝機能の向上に役立ちます。

肝機能を高めるしじみの効果は、実験でも確認されています。 肝障害をもつラットにオルニチンを10日間摂取させたところ、肝障害が改善されたという研究報告があります。 また、肝機能が低下している人に、しじみエキスを1日あたり1,320mg摂取させ、2週間ごとに血液検査を実施したところ、肝機能の指標となる数値が改善し、肝機能の向上が確認されたという実験報告があります。 さらに、脂肪肝の症状が認められる被験者に対してオルニチンを1日2,000mg、3週間摂取させたところ、肝機能の状態を表す指標が改善し、肝機能の向上がみられたとの研究報告があります。

疲労回復

しじみは、身体の疲労回復にとても効果的です。 1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみに含まれるオルニチンにはアンモニアの解毒を促進する作用があります。アンモニアは身体に害を与える老廃物のひとつで、体内のアンモニア量が増えると全身の疲労感の原因になります。オルニチンは疲労の原因となるアンモニアの解毒を促進して、疲労回復に役立ちます。

オルニチンの疲労回復効果は、実験でも確認されています。 被験者を2グループに分け、片方だけにオルニチンを7日間摂取させた後、運動負荷試験を行う実験が行われました。その結果、オルニチンの摂取によって運動後のアンモニア濃度の上昇が抑えられ、運動量の低下も抑制されました。この実験により、運動時の疲労を軽減するオルニチンの効果が確認されています。 また、健康な成人にオルニチンを1日6g、7日間摂取させたところ、運動疲労によって生じる尿のアンモニアが減少し、疲労感が改善されたとする実験報告があります。 さらに、疲労感を感じている男女52名を対象としてオルニチンを1日400mg、8週間摂取させる実験を行ったところ、オルニチンの摂取によってストレス状態や睡眠の質が改善され、疲労回復効果が確認されたとする研究報告があります。

オルニチン以外にも、しじみには疲労回復に役立つ成分が含まれています。 しじみには、ビタミンB1やビタミンB2、パントテン酸などのビタミンB群が含まれています。ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれ、糖・脂質・タンパク質をエネルギーに変換するのに不可欠な成分です。これらは筋肉や内臓へのエネルギー供給を促進して、疲労回復に役立ちます。

糖の代謝は疲労と深く関係しています。糖がエネルギーにうまく変換されないと、疲労物質の乳酸となって体内に残ります。しじみには、糖の代謝に不可欠なビタミンB1や、乳酸の分解を促進するアスパラギン酸、マグネシウム、カリウムが含まれています。しじみは糖の代謝や乳酸の分解を促進して、疲労回復に役立ちます。

しじみに含まれる必須アミノ酸のイソロイシンも疲労回復に効果的です。イソロイシンには筋肉のエネルギーとなるグリコーゲンを身体に蓄える働きがあります。このため、イソロイシンはエネルギー不足による筋肉疲労を防ぎ、疲労回復に役立ちます。また、イソロイシンには脳の疲労感を軽減する作用もあります。

筋肉増加

オルニチンは、アンモニアを解毒するオルニチンサイクル(尿素回路)を通じて、アミノ酸のアルギニンに変換されます。このため、オルニチンの摂取はアルギニンの補給にもつながります。オルニチンとアルギニンには成長ホルモンの分泌を促進して筋肉を増やす働きがあることが、実験で確認されています。 運動負荷を与えた健康な成人17名にオルニチンとアルギニンを摂取させたところ、これらの摂取により、筋肉の増加を促すIGFsと呼ばれる成長因子や、成長ホルモンの血中量が増加したとの研究報告があります。 また、成人男性22名にトレーニングを行わせ、オルニチンとアルギニンを1日4g摂取させたところ、これらの摂取によって筋力と筋量が増加し、オルニチンの筋肉増加効果が確認されたとする実験報告があります。

しじみにはオルニチン以外のアミノ酸も数多く含まれており、筋肉増加に役立ちます。 身体で生成できず、食品から摂取する必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいます。しじみには、9種類ある必須アミノ酸のすべてを含む19種類のアミノ酸が含まれています。 食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価するアミノ酸スコアと呼ばれる指標があります。しじみのアミノ酸スコアは最高値の100です。しじみには筋肉の形成に必要なアミノ酸がバランス良く含まれており、筋肉や体力の増加に役立ちます。

必須アミノ酸のなかでも、バリン・ロイシン・イソロイシンは筋肉を構成する主成分であり、筋肉増加に重要です。筋肉はエネルギーが不足すると、自らを分解してエネルギーとして利用します。バリン・ロイシン・イソロイシンには、こうした筋肉の分解を防ぐ働きがあります。しじみはこれらのアミノ酸を含み、筋肉の維持・増加に役立ちます。

ストレス軽減

日々の生活で生じるストレスは、身体の健康に悪影響を与えます。オルニチンにはストレスを軽減する効果があることが、研究で確認されています。

久留米大学の研究において、日ごろから疲れを感じている人を2グループに分け、片方にオルニチンを1日400mg、8週間摂取させ、もう片方には偽の薬を摂取させる実験が行われました。その結果、オルニチンの摂取によって気分の自覚症状が大きく改善し、寝つきや睡眠時間にも顕著な改善がみられました。また、この実験では、オルニチンの摂取によって血液中のコルチゾール値が大きく低下したことも報告されています。 コルチゾールはストレスに反応して分泌されるホルモンで、ストレスを受けると血液中のコルチゾール値が増加します。この実験により、ストレスを軽減するオルニチンの効果が確認されています。

また、健康な成人男女38名を対象とし、オルニチンもしくは偽の薬を摂取させた後にストレス負荷を与える実験を行ったところ、オルニチンを摂取したグループは唾液中のコルチゾール量の上昇が抑制されたという研究報告があります。この実験では、オルニチンの摂取によって、実験の翌朝の疲労感が軽減されたことも報告されています。

オルニチン以外にも、しじみにはストレス軽減に役立つ成分が豊富に含まれています。 必須アミノ酸のトリプトファンは、体内でセロトニンに変換されます。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質で、精神を落ち着かせてストレスを軽減する作用があります。 必須アミノ酸のフェニルアラニンとアミノ酸の一種チロシンは、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンといった神経伝達物質の材料になります。これらはストレスホルモンとも呼ばれ、ストレス時の気力や集中力の維持に役立ち、ストレスへの対処を助けます。 ビタミンB1は、糖の代謝を促進して脳にエネルギーを供給し、脳のエネルギー不足による思考力の低下や精神不安を防ぎます。 ナイアシンはビタミンの一種で、精神不安やうつ症状を防ぐ働きがあり、ストレス時の精神安定に役立ちます。 カルシウムには、神経の緊張や興奮を抑える働きがあり、ストレス軽減に役立ちます。 マグネシウムには、神経の興奮を抑えて神経の情報伝達を正常に保つ作用があり、精神の安定に役立ちます。 しじみには、ストレスへの対処や精神の安定に役立つこれらの成分が含まれており、ストレス軽減にとても効果的です。

睡眠の改善

オルニチンには睡眠を改善する効果があることが、研究で確認されています。 1-4.ストレス軽減に記載の通り、オルニチンの摂取によって寝つきや睡眠時間の改善がみられたという久留米大学の研究報告があります。 また、疲労感を感じている人に対して、就寝前にオルニチンもしくは偽の薬を摂取させ、翌朝にアンケート調査と作業テストを行う実験が実施されました。その結果、オルニチンを摂取すると、偽の薬を摂取した場合に比べて寝つきや睡眠の質が改善し、作業テストの成績も良好だったという研究報告があります。

しじみには、オルニチン以外にも、睡眠の改善に役立つ成分が含まれています。 アミノ酸のグリシンは、安眠効果があることで知られています。グリシンには血管を拡張する作用があり、入眠時に表面体温を上げて身体の熱を放出します。人は睡眠時に体温を下げようとするので、グリシンの働きは自然な睡眠を促します。 グリシンの睡眠改善効果は実験でも確認されており、睡眠不足の人に対して就寝前にグリシンを摂取させたところ、睡眠の質が改善して翌朝の眠気や疲労感が減少し、日中の作業効率が向上したとの研究報告があります。

セリンは神経の働きに深く関与しているアミノ酸で、睡眠を改善する効果が実験で確認されています。睡眠に満足していない人に対して毎日就寝前にセリンを摂取させたところ、寝つきや睡眠の満足度などに改善がみられたとの研究報告があります。

必須アミノ酸のトリプトファンは、体内でメラトニンやセロトニンを生成する材料になります。メラトニンは体内時計の調整に関わり、深い睡眠を促す作用があります。セロトニンには精神を安定させ、質の良い睡眠を促す作用があります。

しじみには、オルニチンとともに、質の良い睡眠を促すグリシン・セリン・トリプトファンが含まれており、睡眠の改善に役立ちます。

また、ストレスも睡眠に悪影響を与えます。ストレスを感じると副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌され、このホルモンには睡眠を阻害する作用があります。 1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみにはストレスを軽減する作用があります。しじみはストレスを軽減して睡眠を妨げるホルモンの分泌を抑制し、睡眠の改善に役立ちます。

自律神経を整える

自律神経は、内臓や血管などの働きを無意識のうちに調整している神経です。自律神経は、活動時や日中に活発になる交感神経と、安静時や夜間に活発になる副交感神経に分けられ、両者がバランスを取りながら機能しています。自律神経のバランスが乱れると、内臓機能の低下や精神不安といった心身の不調が起こります。

自律神経の乱れの最大の原因はストレスです。ストレスは交感神経を刺激し、自律神経のバランスを乱します。1-4.ストレス軽減に記載の通り、オルニチンなどのしじみに含まれる成分にはストレスを軽減する効果があります。しじみはストレスを軽減して、自律神経のバランス維持に役立ちます。

睡眠不足も自律神経の乱れの原因になります。睡眠不足の状態では、副交感神経の働きが抑制され、交感神経の働きが過度に活発になります。1-5.睡眠の改善に記載の通り、オルニチンなどのしじみに含まれる成分には睡眠を改善する効果があり、睡眠不足による自律神経の乱れを防ぎます。

また、しじみには神経の働きを助ける成分が豊富に含まれています。 アミノ酸のフェニルアラニンやトリプトファン、チロシンは、神経の情報伝達を行う神経伝達物質の材料になります。 ビタミンB1には、中枢神経や末梢神経の働きを正常に保つ作用があります。 マグネシウムやカルシウムには、神経の興奮を抑えて、神経の情報伝達を正常化する作用があります。 これらの成分を含むしじみは、神経の正常な働きを助けて自律神経のバランス維持に役立ちます。

血行促進

血行は、身体の組織への酸素と栄養素の運搬や、老廃物の体外への排出に関わり、身体の健康にとって重要です。しじみは、身体の血行促進に役立ちます。

1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみには脂質の代謝に重要な肝臓の機能を向上させる働きがあります。これにより脂質の代謝が促進され、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪といった脂質が減少して、血液がサラサラになります。しじみは血液中の脂質を減らすことで、血行促進に役立ちます。

また、しじみには血管を拡張する成分が含まれています。 アミノ酸のアルギニンは、体内で一酸化窒素を生成する材料になります。一酸化窒素は、血管周辺の筋肉を弛緩させて血管を拡張するシグナルとして機能する物質です。アルギニンは血行促進に欠かせません。 アミノ酸のグリシンには血管を拡張する作用があり、血液の流れをスムーズにします。 ビタミンEには血管を収縮させる神経伝達物質の生成を抑制する働きがあり、血管を拡張させます。 ビタミンの一種ナイアシンには、毛細血管を広げる作用があります。 しじみには血管を広げるこれらの成分が含まれており、血流をスムーズにして血行促進に役立ちます。

ストレスや睡眠不足も血行悪化の原因になります。ストレス下や睡眠不足の状態では、自律神経の交感神経が活発になります。交感神経の働きは血管を収縮させるため、ストレスや睡眠不足は血行を悪化させます。 しじみには、ストレス軽減効果や睡眠を改善する効果、自律神経のバランスを整える効果があります。これらの効果は、交感神経の過度な活発化を抑制して、ストレスや睡眠不足による血行悪化を防ぎます。

代謝アップ

しじみには、身体の代謝エネルギーを増加させる成分が含まれています。しじみは代謝エネルギーを増加させて脂肪の燃焼を促進し、太りにくい身体の形成に役立ちます。

呼吸や内臓の機能などで消費される、生命活動を維持するために必要なエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝のうち肝臓が消費するエネルギーが27%を占めており、肝臓の働きは多くのエネルギーを消費します。 1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみには肝臓の機能を向上させる効果があります。この効果によって肝臓の働きが活発になるため、しじみは肝臓の代謝エネルギーをさらに増加させます。

筋肉が消費するエネルギーも、身体の代謝エネルギーのうち大きな割合を占めています。1-3.筋肉増加に記載の通り、しじみには筋肉の増加を促進する効果があります。しじみはエネルギー消費の多い筋肉を増やして、身体の代謝エネルギーを増加させます。

血行も、代謝エネルギーと深く関係しています。血行が促進されると、内臓など身体の各組織の活動が活発になり、体温が上昇します。厚生労働省の書簡によれば、体温が1℃上昇すると身体の代謝エネルギーが13%増加します。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行を促進する効果があります。しじみは血行を促進して体温を上昇させ、身体の代謝エネルギーを増やします。

腎機能の向上

しじみは、肝臓だけでなく、腎臓の機能向上にも効果的な食品として知られています。

アンモニアは身体にとって有毒で、アンモニアの増加は腎臓に悪影響を与えます。腎臓には酵素の働きによってアンモニアを代謝する補助的な機能があり、体内のアンモニアが増加すると腎臓に大きな負担がかかります。 1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみに含まれるオルニチンは、肝臓でのアンモニアの解毒を促進します。しじみはアンモニアを減少させて腎臓の負担を軽減し、腎機能の向上に役立ちます。

また、腎臓は血液をろ過して不純物を取り除く器官であり、腎臓の機能は血液の流れと深く関係しています。血液の流れが悪くなって血圧が上昇すると、腎臓に負荷がかかり、腎臓の機能が低下します。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血液中の脂質を減少させて血液をサラサラにする働きがあります。しじみは血流をスムーズにして腎臓への負担を軽減し、腎臓の働きを助けます。

免疫力の向上

しじみには免疫機能にとって重要な栄養素が豊富に含まれており、免疫力向上に役立ちます。

肝臓の働きは、免疫機能にとって非常に重要です。肝臓にはナチュラルキラー細胞やマクロファージと呼ばれる免疫細胞が多く存在しており、ウイルスや病原菌を処理しています。肝臓の機能が衰えると、これらの免疫細胞の働きも衰え、免疫力が低下します。 1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみにはオルニチンをはじめとした肝機能を高める成分が豊富に含まれています。しじみは肝機能を向上させて免疫細胞の働きを活発にし、免疫力を高めます。

免疫機能の基礎となる免疫細胞や抗体は、アミノ酸から構成されるタンパク質でできており、アミノ酸は免疫機能にとって重要です。アミノ酸を極端に制限したダイエットは、免疫力を低下させることが知られています。 しじみには、9種類の必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸がバランス良く含まれています。しじみは免疫機能に必要なアミノ酸を補い、免疫力向上に役立ちます。

また、しじみには、ビタミンAやビタミンB群といったビタミン類が含まれており、これらのビタミンには皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。粘膜には病原菌などの体内への侵入を防ぐ防護壁のような役割があり、粘膜の健康は免疫機能にとって重要です。しじみに含まれるビタミンは、皮膚や粘膜を健康に保つことで病原菌の侵入を防ぎ、免疫力を高めます。

さらに、しじみには、亜鉛、鉄、銅といった免疫機能に重要なミネラルも含まれています。 亜鉛は、多くの酵素の働きや細胞分裂に欠かせない成分です。亜鉛が不足すると免疫細胞を生成する胸腺が縮小し、免疫不全が起こることが知られています。 鉄や銅が不足すると、免疫細胞のT細胞の数や機能が低下し、免疫力に悪影響がでます。 しじみには、こうした免疫機能に不可欠なミネラルが含まれており、免疫力向上に役立ちます。

自律神経の働きも免疫機能に影響します。ストレスや睡眠不足などによって自律神経のバランスが乱れると、免疫細胞におけるリンパ球と顆粒球のバランスが乱れ、免疫機能がうまく働かなくなります。 しじみには自律神経を調整する効果や、ストレス軽減効果、睡眠を改善する効果があり、自律神経のバランス維持に役立ちます。しじみは、自律神経の乱れによる免疫力の低下を防ぎます。

骨を丈夫にする

しじみに含まれる成分は、丈夫な骨の形成にも役立ちます。

1-3.筋肉増加に記載の通り、オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。成長ホルモンは骨の形成にとって重要で、骨の新陳代謝を活発にして骨密度を高める働きがあります。オルニチンは成長ホルモンの分泌を促して、丈夫な骨の形成に役立ちます。

また、しじみには、骨の材料となるカルシウム・マグネシウム・リンが含まれています。しじみは骨の材料を身体に補い、骨を丈夫にします。

カルシウムなどのミネラルと同じく、タンパク質のコラーゲンも骨の形成に重要です。骨はコラーゲンが絡み合っている隙間をカルシウムが埋める形で形成されており、コラーゲンが不足すると骨にカルシウムが定着せず、骨密度が低下します。 しじみには、コラーゲンの材料となるアミノ酸がバランス良く含まれています。コラーゲンの生成にはビタミンCも必要で、しじみにはビタミンCも含まれています。しじみはコラーゲンの生成を促進して、丈夫な骨の形成に役立ちます。

しじみにはビタミンKも含まれています。ビタミンKには、カルシウムの骨への定着を促進する働きや、骨からのカルシウムの排出を抑制する作用があります。しじみは骨密度の上昇に役立つビタミンKを補い、骨を丈夫にします。

病気などの予防・改善効果

しじみには多くの健康効果があり、病気や身体の不調の予防・改善にも効果的です。

脂質異常症

脂質異常症は、悪玉コレステロールや中性脂肪といった血液中の脂質の量が基準値よりも多い症状をいいます。血液中の脂質が多いと血液がドロドロになり、血行の悪化や動脈硬化の原因になります。

1-1.肝機能の向上に記載の通り、オルニチンをはじめとするしじみの成分には肝臓の機能を向上させる効果があり、肝臓による脂肪の代謝を促進します。これにより、血液中の脂質の量も減少し、脂質異常症が改善されます。

また、1-8.代謝アップに記載の通り、しじみには身体の代謝エネルギーを増やす効果があります。代謝エネルギーが増えることで身体の脂肪が燃焼されやすくなり、血液中の脂質も減少します。代謝エネルギーを高めるしじみの効果は、脂質異常症の改善に役立ちます。

しじみには、ビタミンの一種ナイアシンも含まれています。ナイアシンは脂質異常症の治療薬としても使用される成分で、血液中の脂質を減少させる高い効果が確認されています。

脂質異常症に対するしじみの効果は、動物実験でも確認されています。 高コレステロール症のラットに対して、しじみ抽出物を摂取させたところ、コレステロールの代謝が促進され、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが減少したとの研究報告があります。

高血圧

しじみは、高血圧の予防・改善に効果的です。 悪玉コレステロールや中性脂肪といった血液中の脂質が増えると、血液がドロドロになって血行が悪化します。また、血液中の脂質は、血管の内壁に付着して血管を狭くします。このため、血液中の脂質が増えると血液を送るのに強い力が必要になり、血圧が上昇します。 2-1.脂質異常症に記載の通り、しじみには血液中の脂質を減少させる働きがあります。しじみは血液をサラサラにして、高血圧の予防・改善に役立ちます。

また、1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血管を拡張して血行を促進する成分が含まれています。これにより、弱い力でも身体の組織に血液が届くようになり、高くなりすぎた血圧が低下します。

自律神経の働きは、血液の流れや血圧と深く関係しています。ストレスや睡眠不足は交感神経の働きを活発にして、自律神経のバランスを乱します。交感神経の働きは血管を収縮させるため、ストレスや睡眠不足は血行悪化と高血圧の原因になります。 しじみには、ストレス軽減効果や睡眠を改善する効果、自律神経のバランスを整える効果があります。これらの効果は交感神経の過度な活発化を抑え、副交感神経の働きを助けることで血管を拡張させます。これにより、血行が促進されて血圧が低下します。 しじみは、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れを防ぎ、高血圧の予防に役立ちます。

糖尿病

白米を主食とし、糖分の摂取が多い日本人にとって、糖尿病は身近な病気です。しじみに含まれる成分は、糖尿病の予防・改善に役立ちます。

糖尿病の予防には、血糖値を下げるインスリンの働きが重要です。 運動負荷を与えた健康な成人に対してオルニチンなどを摂取させたところ、IGFsと呼ばれるインスリンと似た働きをする成長因子の増加がみられたとの研究報告があります。オルニチンはインスリンに似た働きをする成分の生成を促し、血糖値の低下に役立ちます。

オルニチン以外にも、しじみには糖尿病の予防・改善に役立つ成分が含まれています。 しじみには、栄養素の代謝に必要なビタミンB群が含まれています。ビタミンB群は糖をエネルギーに変換するのを助けて、血糖値の上昇を抑えます。 アルギニンにはインスリンの分泌を促進する作用があり、血糖値を低下させます。 マグネシウムは、糖の代謝に関わる酵素の働きを活発にして、糖の代謝を促進します。マグネシウムを多く摂取すると糖尿病の予防に役立つとする研究報告があります。

また、ストレスは血糖値に影響を与え、過剰なストレスは糖尿病の原因になります。ストレスを受けると、対抗するために副腎皮質ホルモンのコルチゾールが分泌されます。コルチゾールには血糖値を高める作用があるため、ストレス状態が続くと高血糖の状態が続き、糖尿病の原因になります。 1-4.ストレス軽減に記載の通り、オルニチンにはコルチゾールを減少させる作用があることが研究で確認されており、しじみにはストレスを軽減する効果があります。しじみはストレスを軽減して高血糖を防ぎ、糖尿病の予防に役立ちます。

メタボ

メタボはメタボリックシンドロームの略称で、内臓に脂肪が蓄積した内臓肥満の状態に加えて、脂質異常症・高血圧・高血糖のうち2つ以上の症状がある状態をいいます。メタボは心臓疾患や腎臓病といった重大な病気の危険性を高めるため、メタボの解消は身体の健康維持に重要です。

2-1.脂質異常症2-2.高血圧2-3.糖尿病に記載の通り、しじみはメタボの構成要件であるこれらの症状の予防・改善に効果的です。1-8.代謝アップに記載の通り、しじみには身体の代謝エネルギーを増加させる効果もあるため、内臓脂肪の燃焼を促進して内臓肥満の解消にも役立ちます。 しじみは、メタボの構成要件である内臓肥満・脂質異常症・高血圧・高血糖に対して効果的であり、メタボの予防・改善に役立ちます。

動脈硬化

動脈硬化は、血液を送る動脈が柔軟性を失って硬くなる症状で、脂質異常症・高血圧・糖尿病などが原因で起こります。動脈硬化は心臓や血管に負担をかけ、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気の危険性を高めます。

2-1.脂質異常症2-2.高血圧2-3.糖尿病に記載の通り、しじみは動脈硬化の原因となるこれらの症状の予防・改善に役立ちます。このため、しじみは動脈硬化の予防に効果的で、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気の予防にも役立ちます。

また、しじみにはビタミンB6、ビタミンB12、葉酸が含まれています。これらのビタミンには、動脈硬化の原因となるホモシステインと呼ばれるアミノ酸を減少させる作用があります。これらのビタミンが不足するとホモシステインが増加し、血栓ができやすくなって動脈硬化の危険性が高まります。 しじみは、動脈硬化の原因物質を減らす作用のあるビタミンを身体に補い、動脈硬化の予防に役立ちます。

二日酔い

「しじみ汁は二日酔いに効果的」といわれます。しじみにはアルコールの代謝を助ける成分が含まれており、二日酔いの予防・改善に効果的です。

1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみには肝臓の機能を向上させる成分が豊富に含まれています。これにより、肝臓のアルコール代謝能力が高まり、アルコールが素早く代謝されることで二日酔いが軽減されます。

しじみに含まれる成分のなかでも、アラニン、ナイアシン、亜鉛は、二日酔いの予防に特に効果的です。 アラニンにはアルコールの代謝を促進する作用があります。アラニンの摂取によって二日酔いの原因物質の血中濃度が低下することが、ラットを使った実験で確認されています。 ナイアシンは、アルコールを代謝する酵素の働きを助ける補酵素として機能します。ナイアシンが不足するとアルコールの代謝が進まず、二日酔いの原因になることが知られています。 亜鉛は、体内でアルコールを分解する酵素が働くために必要不可欠なミネラルです。亜鉛の不足はアルコールを分解する肝臓の機能を低下させ、二日酔いの原因になります。 しじみはこれらの成分を含み、二日酔いの予防・改善に役立ちます。

二日酔いに対するしじみの効果は、実験でも確認されています。 アルコール摂取後に400mgのオルニチンを摂取させたところ、二日酔いの不快感が抑制されたとする研究報告があります。 また、アルコール代謝能力の低い人に対して、アルコール摂取後にオルニチンを1,600mg摂取させたところ、アルコールによる翌朝の疲労感が軽減したとの実験報告があります。

口内炎

しじみには、口内炎の予防・改善に役立つ成分が含まれています。

口内炎の最も多い原因はビタミン不足です。ビタミンAやビタミンB群には皮膚や粘膜を健康に保つ作用があり、特にビタミンB2やビタミンB6が不足すると口内炎ができやすくなります。しじみにはこれらのビタミンが豊富に含まれており、口内炎の予防・改善に効果的です。

細菌の感染も口内炎の原因のひとつです。1-10.免疫力の向上に記載の通り、しじみには免疫力を高める効果があります。しじみは免疫力を高めることで細菌の感染を防ぎ、口内炎を防ぎます。

疲労やストレス、睡眠不足も、粘膜の状態を悪化させて口内炎の原因になります。しじみには、疲労回復効果やストレス軽減効果、睡眠を改善する効果があります。しじみは粘膜の状態を健康に保って、口内炎を予防します。

眼精疲労

しじみは、眼精疲労の改善や目の健康維持にも効果的です。

しじみには、ビタミンAとビタミンB2が含まれています。 目の網膜には光の明暗を感じるために必要なロドプシンという物質が存在しており、このロドプシンの生成にはビタミンAが必要です。ロドプシンの不足は眼精疲労や視力低下の原因になるため、ビタミンAは目の健康維持や眼精疲労の予防にとても重要です。 ビタミンB2には粘膜を健康に保つ作用があり、目の角膜の健康維持に特に重要です。角膜の疾患がある患者105名に対してビタミンB2を7ヶ月間投与したところ、角膜の異常が改善されたとする実験報告があります。 しじみには、目の健康に重要なビタミンAとビタミンB2が含まれており、目の健康維持と眼精疲労の改善に役立ちます。

しじみには、目に良いとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)も含まれています。DHAは目の網膜に含まれる脂肪酸の約4割を占め、目の健康にとって重要な成分です。DHAを含む食品を小学生に食べさせたところ、視力が改善したとの研究報告もあります。DHAを含むしじみは、目の健康維持に役立ちます。

眼精疲労の改善には、目の周辺の血行も重要です。目の周辺のマッサージが目の疲れに効果的なことはよく知られています。1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行を促進する効果があり、目の周辺の筋肉の緊張をほぐして、眼精疲労の予防・改善に役立ちます。

また、ストレスも自律神経の交感神経を活発にして血行を悪化させ、眼精疲労を引き起こします。しじみにはストレス軽減効果があり、ストレスによる血行悪化を防いで、眼精疲労の予防に役立ちます。

神経痛・関節痛

しじみはビタミンB12を豊富に含む食品として知られています。ビタミンB12は「神経のビタミン」とも呼ばれ、神経細胞の働きを正常に保つ作用があります。ビタミンB12には末梢神経の損傷を修復する作用もあり、神経痛の治療薬としても使用される成分です。しじみはビタミンB12を身体に補い、神経痛の予防・改善に役立ちます。

しじみは、関節痛に対しても効果的です。 関節痛は、関節の軟骨がすり減って骨と骨が接触することで起こります。しじみに含まれるオルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があることが研究で確認されており、軟骨の新陳代謝を活発にします。 また、軟骨の約50%はタンパク質のコラーゲンで構成されています。しじみにはコラーゲンの材料となるアミノ酸や、コラーゲンの生成に必要なビタミンCが含まれています。しじみは、コラーゲンの生成と軟骨の新陳代謝を促進し、関節痛の予防・改善に役立ちます。

関節周辺の血行不良も、関節痛の原因になります。筋肉の酷使や老化などで筋肉が硬くなると、関節周辺の血行が悪化して関節痛を起こします。1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行を促進する効果があります。しじみは血行を促進して筋肉の緊張をほぐし、関節痛を緩和します。

認知症

しじみには、認知症に対して効果的とされる成分が含まれています。

しじみには、ビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12には神経の機能を正常に保つ作用や、末梢神経の障害を修復する作用があります。また、健康な人に比べて、アルツハイマー型認知症の患者の脳はビタミンB12が少ないという研究報告があります。このため、神経疾患であるアルツハイマー型認知症に対するビタミンB12の予防効果が期待され、研究が行われています。 高齢者900名を対象に、ビタミンB12を含むサプリメントを2年間摂取させたところ、認知機能に改善が認められたとする研究報告もあります。

しじみにはDHA(ドコサヘキサエン酸)も含まれています。DHAには神経細胞を修復する働きがあり、認知症に対して効果的とされる成分です。 認知症患者に対してDHAを6ヶ月間摂取させたところ、計算力や判断力が高まったとする研究報告があります。 また、平均年齢69歳の女性854名を対象とした調査で、赤血球中のDHA量が少ないと、脳が萎縮する割合が高いことが確認されています。

しじみには、認知症に対して効果的とされるビタミンB12とDHAが含まれており、認知症に対する効果が期待されています。

女性特有の悩みに対する効果

しじみは健康に役立つ豊富な栄養素を含んでおり、女性特有の疾患や身体の不調に対しても効果的です。

貧血

貧血は、赤血球の数や機能が低下して血液の酸素運搬能力が低下し、身体が酸欠状態に陥る疾患です。しじみには赤血球生成に必要な成分が豊富に含まれており、赤血球生成を促進して貧血の予防・改善に役立ちます。

しじみには、100gあたり5.3mgの鉄が含まれており、魚介類のなかでも鉄の含有量が多いことで知られています。鉄は赤血球を構成するヘモグロビンの主成分で、赤血球生成に欠かせません。 亜鉛は細胞分裂に必要な成分で、赤血球の前段階である赤芽球の分化に不可欠です。亜鉛欠乏性貧血という貧血のタイプもあります。 銅は、赤血球生成の際に鉄を必要な場所に移動させる役割があります。銅欠乏性貧血という貧血のタイプもあり、赤血球生成に不可欠です。 ビタミンB6には赤血球の生成を促進する働きがあります。鉄芽球性貧血と呼ばれる体内の鉄をうまく利用できずに貧血に陥る疾患があり、ビタミンB6はその治療薬にも使用される成分です。 ビタミンB12と葉酸には赤血球生成に関わる酵素の働きを助ける作用があり、赤血球生成に不可欠な成分です。ビタミンB12や葉酸が不足すると正常な赤血球が生成されなくなり、貧血が起こります。

しじみには、赤血球生成に必要なこれらの成分が含まれています。しじみは赤血球の生成を促進して、貧血の予防・改善に役立ちます。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨の密度が低下して、骨がもろくなる疾患です。更年期以降の女性に特に多くみられ、患者全体の約8割を占めます。

1-11.骨を丈夫にするに記載の通り、しじみには、成長ホルモンの分泌を促進するオルニチンや、骨の材料となるミネラル、骨の形成に重要なコラーゲンの材料などが含まれています。 しじみは丈夫な骨の形成を促し、骨粗しょう症の予防・改善に役立ちます。

冷え性・肩こり

しじみは、女性に多い冷え性や肩こりの症状改善にも効果的です。これらは主に身体の血行不良によって起こります。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには身体の血行を促進する効果があり、手足や肩周辺の血行を促進します。血行が促進されることによって内臓の機能が活発になり、体温も上昇します。しじみは血行を促進して、冷え性や肩こりの予防・改善に役立ちます。

また、しじみにはビタミンB12が含まれています。ビタミンB12には神経細胞の機能を正常に保つ働きや、末梢神経の障害を修復する働きがあります。このため、ビタミンB12は末梢神経の損傷による肩こりや腰痛の治療薬としても利用されています。 しじみは末梢神経を修復するビタミンB12を身体に補い、肩こりや腰痛の予防・改善に役立ちます。

更年期障害

更年期障害は、閉経前後に女性ホルモンの分泌が急激に減少することで起こります。ホルモンバランスが乱れることで自律神経のバランスも乱れ、めまいや倦怠感、不眠、精神不安、抑うつ感といった心身の不調が起こります。

1-6.自律神経を整えるに記載の通り、しじみは自律神経のバランス維持に役立ちます。しじみは心身の不調の原因となる自律神経の乱れを防ぎ、更年期障害の症状緩和に役立ちます。

しじみには、女性ホルモンの分泌に関わる成分が含まれています。 ビタミンEは体内で女性ホルモンのプロゲステロンを生成する材料になり、更年期にビタミンEを多く摂取すると更年期障害の症状が緩和されることが知られています。 ビタミンB6は女性ホルモンのエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを整える作用があります。 亜鉛にはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌を促進する働きがあり、ホルモンバランスの調整に役立ちます。 しじみには、ホルモンバランスの調整に役立つこれらの成分が含まれており、更年期障害の症状改善に効果的です。

また、しじみにはストレス軽減効果や睡眠を改善する効果があります。これらの効果により、しじみは精神不安や抑うつ感、不眠といった更年期障害の症状の緩和に役立ちます。

PMS(月経前症候群)

PMS(Premenstrual Syndrome)は、月経前症候群とも呼ばれ、月経前に起こる心身のさまざまな不調の症状を意味します。PMSの明確な原因は特定されていませんが、女性ホルモンの分泌量の変動や、脳や神経で働く神経伝達物質の分泌量の低下が深く関係していると考えられています。

イギリスの月経前症候群協会のガイドラインでは、PMSの治療に際して、ビタミンB6・マグネシウム・カルシウムの摂取が推奨されています。 ビタミンB6は女性ホルモンのエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを整える働きがあります。マグネシウムとカルシウムには、神経の働きを正常に保って精神を安定させる作用があり、PMSによる精神不安を防ぎます。 しじみにはこれらの成分すべてが含まれており、PMSの症状改善にとても効果的です。

また、しじみにはビタミンEと亜鉛が含まれています。ビタミンEは女性ホルモンのプロゲステロンの材料です。亜鉛には女性ホルモンの分泌を促進する作用があります。 ビタミンEと亜鉛を含むしじみは、女性ホルモンの分泌を助けてホルモンバランスの乱れを抑制し、PMSの予防・改善に役立ちます。

さらに、1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみには神経伝達物質の材料となるフェニルアラニンやチロシン、トリプトファンが含まれています。しじみは、材料となる成分を身体に補って神経伝達物質の生成を促進し、PMSの原因となる神経伝達物質の分泌量低下を防ぎます。

ストレスを受けている状態や自律神経が乱れている状態では、PMSの症状が悪化することが知られています。しじみにはストレス軽減効果や自律神経のバランスを整える効果があり、PMSの症状悪化を防ぎます。

不妊

女性の不妊には、月経周期の乱れなどの生理不順が深く関係しています。また、身体の冷えやストレスも生理不順の原因となり、不妊を招きます。

しじみには、不妊の改善に役立つ成分が含まれています。 しじみに含まれるビタミンB6は、女性ホルモンのエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを調整する働きがあります。 ビタミンEにはトコフェロールという別名があり、この言葉には「子供を生ませる」という意味があります。その名の通り、ビタミンEは不妊の改善に役立つことで知られており、ビタミンEと排卵誘発剤を併用すると妊娠の確率が上がるという研究報告があります。 亜鉛には女性ホルモンのバランス維持を助ける作用があり、生理不順の改善に効果的です。また、亜鉛欠乏症の症状には不妊や生理不順があり、亜鉛の摂取は不妊の改善に重要です。 アミノ酸のアルギニンには、子宮内膜を厚くして妊娠を補助する作用や、妊娠に重要な卵母細胞を増やす作用があることが、研究で確認されています。 しじみにはこれらの有効成分が含まれており、不妊の改善に効果的です。

また、1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行促進効果があり、生理不順の原因となる身体の冷えの改善に効果的です。1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみにはストレス軽減効果もあります。しじみは生理不順の原因となる身体の冷えやストレスに対して効果的で、不妊の改善に役立ちます。

むくみ

女性を悩ませるむくみの改善にも、しじみは効果的です。

身体の血行悪化は、むくみの原因になります。血液やリンパ液の流れが悪くなると、細胞の隙間に水分が停滞しやすくなり、むくみが起こります。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行促進効果があります。また、しじみのストレス軽減効果や睡眠を改善する効果は、ストレスや睡眠不足による血行悪化を防ぎます。しじみは血液の循環を促すことで水分の停滞を防ぎ、むくみの予防・改善に役立ちます。

むくみの原因のひとつに、タンパク質の一種アルブミンの不足があります。アルブミンは血液中に多く存在し、血液の水分量を調節する働きがあります。アルブミンが不足すると、細胞から血液に水分を取り込む力が低下して細胞の隙間に水が溜まり、むくみが起こります。 アルブミンは、アミノ酸をもとにして肝臓で合成され、腎臓でろ過されます。このため、アミノ酸が不足した状態や、肝臓や腎臓の機能が低下した状態では、アルブミンの血中量が減少してむくみが起こりやすくなります。 1-1.肝機能の向上1-9.腎機能の向上に記載の通り、しじみには肝臓や腎臓の機能を向上させる効果があります。また、しじみにはアミノ酸がバランス良く含まれています。しじみは身体にアミノ酸を補い、肝臓と腎臓の健康維持に役立つことで、むくみの予防に重要なアルブミンの血中量を正常に保ちます。

便秘

しじみは、女性に多い便秘症状の改善に効果的です。 冷え性の女性の多くに便秘の症状があるという調査報告があり、血行不良は便秘の主な原因のひとつです。1-7.血行促進に記載の通り、しじみには身体の血行を促進する効果があります。しじみは、腸の血行を促進して腸の働きを活発にし、便秘の予防・改善に役立ちます。

ストレスを受けると、女性は便秘になりやすいといわれています。腸の動きには自律神経の副交感神経が関与しており、ストレスは副交感神経の働きを抑制するためです。 1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみにはストレスを軽減する作用があります。しじみはストレスを軽減して腸の動きを活発にし、便秘を予防します。

また、しじみには、セロトニンの材料である必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。セロトニンは腸の動きに関係しており、セロトニンの不足は便秘の原因になります。しじみはトリプトファンを身体に補ってセロトニンの生成を促し、腸の動きを活発にします。

男性特有の悩みに対する効果

しじみは、女性特有の悩みだけでなく、男性特有の悩みに対しても効果的です。

ED(勃起不全)

しじみに含まれる成分は、ED(勃起不全)の改善に役立ちます。

男性器の勃起は、男性器に血液が流れ込むことによって起こるため、血行はEDの改善に重要です。ED治療薬の主な効果は血行促進です。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行を促進する効果があります。しじみは男性器への血液の流入を促し、男性機能の向上とEDの改善に役立ちます。

自律神経の乱れやストレスは、男性機能に悪影響を及ぼします。ストレスを受けると自律神経の交感神経が活発になり、交感神経の働きは血管を収縮させて血行を悪化させます。このため、ストレスを受けている状態では男性機能が低下します。 1-4.ストレス軽減1-6.自律神経を整えるに記載の通り、しじみにはストレス軽減効果や自律神経のバランスを整える効果があります。しじみは自律神経の乱れによる血行悪化を防ぎ、男性機能の向上に役立ちます。

アルギニンは数多くの精力剤にも配合され、男性機能の向上に効果的な成分として知られています。ED患者に対してアルギニンを継続的に摂取させたところ、男性機能の改善がみられたとの研究報告があります。 しじみに豊富に含まれているオルニチンは、アンモニアを解毒するオルニチンサイクル(尿素回路)を通じてアルギニンに変換されます。しじみにはアルギニン自体も含まれており、しじみはアルギニンの摂取に適した食品です。しじみはアルギニンを身体に補い、男性機能の向上とEDの改善に役立ちます。

また、しじみには亜鉛も含まれています。亜鉛は、性欲や性衝動を高める男性ホルモンのテストステロンの分泌を促進する作用があり、男性機能の向上に効果的です。しじみは亜鉛を豊富に含み、テストステロンの分泌を促進することでEDの改善に役立ちます。

男性不妊

しじみに含まれる成分は、女性だけでなく、男性不妊の改善にも効果的です。

アミノ酸のアルギニンには、精子の数を増やす作用や、精子の運動率を向上させる作用があることが、実験で確認されています。 男性不妊の患者にアルギニンを摂取させたところ、患者の半数以上に精子数の増加がみられたとの研究報告があります。 また、精子の運動率が低い患者25人に対してアルギニンを摂取させたところ、21人に精子の運動率の改善がみられたとする浜松医科大学の研究報告があります。 4-1.ED(勃起不全)に記載の通り、しじみはアルギニンの摂取に適しています。しじみは、精子の数や精子の運動率を向上させるアルギニンを身体に補い、男性不妊の改善に役立ちます。

しじみには、男性不妊の改善効果で知られる亜鉛も含まれています。亜鉛は精子や精液に多く含まれており、亜鉛の体内濃度が高まると精子の数が増加し、運動率も向上するという研究報告があります。しじみは、精液や健康な精子の生成に役立つ亜鉛を含み、男性不妊の改善に役立ちます。

日々の呼吸によって体内で発生する活性酸素は、男性不妊にも関係しています。精子が活性酸素に弱いとする研究報告が数多く行われており、増えすぎた活性酸素は精子を傷つけて男性不妊の原因になります。 しじみには、活性酸素を中和する抗酸化作用をもったビタミンEとビタミンCが含まれています。また、活性酸素のひとつ過酸化水素を中和する酵素のカタラーゼは、鉄とアミノ酸から生成されます。鉄とアミノ酸を豊富に含むしじみは、カタラーゼの生成を助けて過酸化水素の中和を促進します。 しじみは、精子に悪影響を与える活性酸素の中和を促進し、男性不妊の改善に役立ちます。

体臭

疲労臭や加齢臭などの体臭は、特に男性にとって悩みの種です。しじみは体臭の改善に役立ちます。

疲労などによって発生する体臭は疲労臭と呼ばれます。 疲労やストレスなどによって肝臓の働きが弱まると、アンモニアを処理する肝臓の機能が低下して身体にアンモニアが残ります。処理されずに残ったアンモニアは、血液とともに身体を流れ、一部が汗などに混じって体外に放出されます。これが疲労臭の原因です。 1-1.肝機能の向上に記載の通り、しじみにはアンモニアの解毒を促進するオルニチンが豊富に含まれています。しじみは疲労臭の原因となるアンモニアを減少させ、体臭の改善に役立ちます。 また、1-2.疲労回復1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみには疲労回復効果やストレス軽減効果があります。しじみは疲労臭の原因となる疲労やストレスを軽減し、体臭の悪化を防ぎます。

増えすぎると身体に悪影響を与える活性酸素は、体臭にも影響しています。血液中の脂質が活性酸素によって酸化されると過酸化脂質になり、この過酸化脂質が特定の脂肪酸を分解することによってノネナールと呼ばれる物質が発生します。ノネナールは油臭く青臭い臭いが特徴で、加齢臭の主要な原因物質です。ノネナールの発生を防いで加齢臭を改善するには、活性酸素や血液中の脂質を減らして、過酸化脂質の発生を抑えることが重要です。 しじみには、抗酸化作用をもつビタミンEとビタミンCが含まれており、活性酸素の中和を助けます。また、2-1.脂質異常症に記載の通り、しじみには血液中の脂質を減少させる効果があります。 しじみは過酸化脂質の発生を抑えることで、加齢臭の予防・改善に役立ちます。

美容効果

多くの健康効果をもつしじみは、美容に対しても効果的です。

美肌効果

しじみに含まれるオルニチンなどの成分は、美しい肌の形成に役立ちます。

1-3.筋肉増加に記載の通り、オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。成長ホルモンは肌の新陳代謝を活発にするため、オルニチンは若々しい肌の形成に役立ちます。

血行は肌の健康にとても重要です。血行が促進されると肌に酸素と栄養素が十分に供給され、老廃物の体外への排出も促進されます。 1-7.血行促進に記載の通り、しじみには血行促進効果があります。1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみにはストレス軽減効果もあり、ストレスによる肌の血行悪化を防ぎます。しじみは肌の血行を促進して新陳代謝を活発にし、美しい肌の形成を助けます。

睡眠も美しい肌の形成に重要です。睡眠中には、血管を拡張させる副交感神経の働きが活発になります。また、睡眠中には成長ホルモンの分泌も盛んに行われます。 1-5.睡眠の改善に記載の通り、しじみには質の良い睡眠を促す効果があります。しじみは、睡眠を改善して血行と成長ホルモンの分泌を促進し、肌の新陳代謝を活発にします。

アミノ酸は美しい肌の形成に欠かせない成分です。 コラーゲンには内側で肌を支える役割があり、肌にハリと弾力を与えます。タンパク質の一種エラスチンにはコラーゲン同士を結びつける働きがあり、肌の弾力に欠かせません。コラーゲンとエラスチンはアミノ酸から体内で生成されるため、肌のハリと弾力にはアミノ酸の摂取が重要です。 1-3.筋肉増加に記載の通り、しじみにはアミノ酸がバランス良く含まれています。しじみにはコラーゲンの生成に必要なビタミンCも含まれており、コラーゲンの生成を促進します。しじみは肌のハリと弾力に必要なアミノ酸を補い、若々しい肌の形成に役立ちます。

また、アミノ酸は肌の潤いにも重要です。肌にもともと備わっている保湿成分を天然保湿因子(NMF)といい、天然保湿因子の約4割がアミノ酸で構成されています。このため、肌の角質層に含まれるアミノ酸が不足すると、肌荒れなどの肌トラブルが起こりやすくなります。 しじみには、天然保湿因子の成分であるグリシンやセリンなどのアミノ酸が含まれています。しじみは肌の保湿成分であるアミノ酸を補い、潤いのある肌の形成に役立ちます。

しじみには、美しい肌の形成を助けるビタミンも含まれています。 ビタミンEには活性酸素の悪影響から肌を守る抗酸化作用があり、肌の老化を防ぎます。このため、ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれます。ビタミンEには紫外線から肌を守る働きもあり、シミやソバカスを防いで白く美しい肌の形成を助けます。 ビタミンAやビタミンB群には皮膚や粘膜を健康に保つ作用があり、肌荒れなどの肌トラブルを防ぎます。 ビタミンCはコラーゲンの生成に必要なほか、色素の沈着を防いでシミやソバカスを防ぐ働きがあります。

このように、しじみには肌の健康維持に効果的な成分が豊富に含まれており、美しい肌の形成に役立ちます。

美しい髪をつくる効果

髪は肌の一部といわれます。髪は頭皮の毛母細胞から生まれるため、髪の健康は肌の健康と密接に関係しています。美しい肌の形成に役立つしじみは、美しい髪の形成にも効果的です。

1-3.筋肉増加に記載の通り、オルニチンには成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。成長ホルモンは頭皮の新陳代謝を活発にして毛母細胞の健康維持に役立ち、健康な髪の成長を促します。

頭皮の血行不良は、毛母細胞の健康に悪影響を与えます。ストレスや睡眠不足によって自律神経の交感神経が活発になると、血管が収縮して血行が悪化します。 しじみには、血行促進効果、ストレス軽減効果、睡眠を改善する効果、自律神経のバランスを整える効果があります。これらの効果は頭皮の血行促進に役立ち、毛母細胞の健康維持と美しい髪の形成を助けます。

髪の毛の99%はタンパク質のケラチンでできており、ケラチンは体内でアミノ酸から合成されます。しじみには9種類の必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸がバランス良く含まれており、ケラチンの合成を促進します。しじみは髪の毛の材料になるアミノ酸を補い、美しい髪の形成に役立ちます。

薄毛・白髪予防

しじみは、薄毛や白髪の予防にも効果的です。

弾力のある肌の形成や関節痛の予防に役立つコラーゲンは、薄毛の予防にも重要なことが研究で明らかになっています。東京医科歯科大学の研究グループは、髪の毛を生み出す頭皮の幹細胞の保護にコラーゲンが必要で、特定のコラーゲンの不足による幹細胞の機能低下が薄毛の原因になるという研究報告を行っています。 アミノ酸のアルギニンは、コラーゲンの生成を促進する作用があることで知られています。オルニチンは、オルニチンサイクル(尿素回路)を通じてアルギニンに変換されるため、オルニチンの摂取はコラーゲンの生成を促進します。また、しじみにはコラーゲンの生成に必要なアミノ酸やビタミンCが含まれており、コラーゲンの生成に役立ちます。 しじみは、頭皮の幹細胞の保護に重要なコラーゲンの生成を促進して、薄毛の予防に役立ちます。

日々の呼吸によって体内で発生する活性酸素は、増えすぎると白髪の原因になります。 活性酸素のひとつ過酸化水素が白髪を引き起こすというアメリカの研究報告があります。人の身体には活性酸素を中和する機能が備わっていますが、年齢とともにその機能が低下するため、歳をとると白髪が増えます。 しじみには、活性酸素を中和する抗酸化作用をもったビタミンEやビタミンCが含まれています。また、過酸化水素を中和する酵素のカタラーゼは、鉄とアミノ酸を材料として体内で生成されます。しじみには鉄とアミノ酸が豊富に含まれており、カタラーゼの生成と過酸化水素の中和を助けます。 しじみは、白髪の原因となる活性酸素の中和を促進して、白髪の予防に役立ちます。

ダイエット効果

しじみに含まれる成分は、ダイエットにも効果的です。 1-8.代謝アップに記載の通り、しじみには身体の代謝エネルギーを増加させる働きがあります。代謝エネルギーが増加することで身体の脂肪が燃焼されやすくなるため、しじみは太りにくい身体の形成とダイエットに役立ちます。

また、1-4.ストレス軽減に記載の通り、しじみには精神の安定に役立つ成分が含まれており、ストレスを軽減する効果があります。しじみはダイエット時のストレスやイライラ感を軽減して、ダイエットを補助します。

さらに、しじみには鉄・亜鉛・銅・カルシウム・マグネシウム・カリウムといった身体の健康維持に必要なミネラルが含まれています。ダイエット時には、食事制限などの影響でこれらのミネラルが不足しがちです。しじみは身体に必要なミネラルを補って、ダイエット時の健康維持に役立ちます。

まとめ

しじみには、肝機能の向上や疲労回復に役立つオルニチンなどのアミノ酸や、ビタミン、ミネラルが含まれており、身体の健康増進にとても効果的です。多くの健康効果をもつしじみは、病気や身体の不調の予防・改善に役立ち、美肌効果などの美容効果もあります。 健康で若々しい身体を手に入れるために、オルニチンをはじめとした豊富な栄養素を含むしじみを、いちど試してみることをお勧めします。

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